KPI道場 自己資本比率と負債比率の分析

KPI

資本比率と負債比率は財務体質を見るために使われます。
両方とも貸借対照表から計算できる指標です

この記事は分析者向けに書いています。
数字が高いか低いかだけですと表面的なものしか見れません。
数字からどういう会社かイメージできることが大切です。

数字で判断すると
「負債比率が400%の会社は危険」
ということで終わってしまいます。

数値のイメージができていると
「不動産会社や装置産業なのでは?」
ともう一歩深く考えることができます。

もう一歩深く考える手助けになるようにまとめていますので、ぜひお読みください。

自己資本比率と負債比率の概要

指標計算式
自己資本比率高いほど安定している。
全資産のうち自分資産が占める割合。

50%以上あればいいといわれている
20%以下は要注意
純資産/総資本 × 100
負債比率低いほど安定している。

100%以下であれば安定しているといわれている。
負債 / 自己資本 x 100

自己資本比率が低いのはどういう会社か?

まずイメージしやすいように個人の例で考えます。

1. 家を担保に借入れをした時の自己資本比率

1,000万円の家を担保に1,000万円の融資を受けるとします。
自己資本比率は50%です。(1,000万 / 2,000万)

現実的に考えると元の価値の5割から8割の融資です。
8割借りたと仮定すると56%になります。(1,000万 / 1,800万)

自己資本比率が100%ないとお金が払えなくなった時に、自己破産や破滅するイメージを持つ方もいると思いますが、実際には家を失うだけです。

担保での借入金を基準にした時に
・貸したお金を全部なくしても理論値でなりたつ:自己資本比率50%
・担保の価値の8割の場合:自己資本比率56%
・担保の価値の5割の場合:自己資本比率67%

が自己資本比率を感覚的にとらえる基準となります

2. 頭金で家を購入した時の自己資本比率

「あれ?家のローンを組む時に頭金2割で貸してくれるよ」
と思った方もいるかもしれません。

頭金2割ですと5,000万円の家となるので自己資本比率が20%です。

実は頭金2割と家を担保に8割を借りるというのは同じリスクです。

同じリスクと言っても自己資本比率を比べると56%と20%で全然違います。
この違いについて解説します。

次のように考えてみましょう。

まず頭金1,000万円で家を買う。その家を担保に8割の800万円の融資をうける。
借りた800万円で家を買って、その家を担保に8割の640万円の融資をうける
借りた640万円で家を買って、その家を担保に8割の512万円の融資をうける
・・・・・
・・・

というのを繰り返すと最終的に4,000万円借りれます。
これは頭金2割の論理です。
やっていることは担保に対して8割貸すのと同じなのです。

この資本比率56%と20%の違いは
・資産を現金などの流動資産で持つ
・家などの資産性の高い固定資産で持つ
この違いです。

頭金の考えでみてみると
・頭金2割の場合(購入資産の8割借入):自己資本比率20%
・頭金5割の場合(購入資産の5割借入):自己資本比率50%
となります。

自己資本比率が20%が危険ラインと一般的にいわれています。
これはこの担保の考えからきているかと思っています。

自己資本比率の適正値の考え方

現実的に資産性の高いもので全部もつということはありません。
借入は資産の担保だけでなく事業の将来性も加味されます。

しかし極端な例を知ることで、それを基準に考えることができます。

例えば自己資本比率が20%は担保を元に考えたらありえない値です。
それを元に危険と判断したり、もしくはなぜお金を借しているか調べることで見えない価値を発見できるかもしれません。

負債比率の内容について

負債比率は自己資本比率と逆の動きをします。
高いと危険性が高く低いほうが安全です。

純資産でなく自己資本を計算に使っているのが自己資本比率と違います。
負債比率のほうが目的からするとより正確といえます。

自己資本は自分の資本です。
純資産には他人の資産が含まれています。

  • 新株予約権
    ストックオプションなど。株を特定の値段で買える権利。
    例えば5万円で株を買える権利をあげた場合、将来株価が10万円になった時に5万円で10万円分の株価を買える。
  • 被支配株主分
    連結決算では持ち株80%の会社の資産も全額含まれている。
    20%は他人のものなので、その20%分を被支配株主分として記載。
負債比率の目安

自己資本比率と考え方は同じです。

負債比率自己資本比率考え方
400%20%頭金2割で資産購入
100%50%頭金5割で資産購入
全資産を担保に10割を借入
80%56%全資産を担保に8割を借入
*総資産 = 自己資本の場合

まとめ

自己資本比率と負債比率は財務体質をみるための指標です。
まとめると次の形です。

指標計算式
自己資本比率高いほど安定している。
全資産のうち自分資産が占める割合。

50%以上あればいいといわれている
20%以下は要注意
純資産/総資本 × 100
負債比率低いほど安定している。

100%以下であれば安定しているといわれている。
負債 / 自己資本 x 100

どの数値より悪いと経営が危ないかは、業界とビジネス大きくよります。
そのため判断には自分なりの考えと分析が必要となります。

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