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Power BI道場 経営層がBIレポートを望む本当の理由

BIレポートは経営層からよくくる要望の一つです。

BIレポートの基盤作成には数千万かかることもあります。
「なぜ経営層は情報を持っているのにBIレポートを欲しいのか?」
と思ったことはないでしょうか?

経営層には、優秀なスタッフが分析した内容を直接報告します。
普通に考えるとこれ以上の情報はないはずです。

実は偉い人ほど情報から隔離されているからです。

  • 1次情報を知りたい
  • 即座に情報を欲しい

このことについて読みやすいようにストーリー形式で紹介します。

1次情報の重要性

前回のストーリ
「Power BI道場 Power BIでできること厳選3つ」

桐生課長

椿かー!!
部長に経費レポートを見せたのは

椿

Power BIを使ったばっかりに。。
いったいどうしてこんなことになっちゃったの。

桐生課長

会議室で少し話がある

椿が会議室から出てこれたのは1時間後だった。
椿は頭が真っ白になって、桐生課長の話がほとんど頭に入ってこなかった。

椿は席に戻ると、大あくびをしている菊之助に気力を振り絞って話した。

椿

菊之助さん。
私がいなくなったら、こーちゃんのお世話をお願いします。

菊之助

こーちゃん??

去年、取引先から頂いた胡蝶蘭。
もう一度花が咲く姿をみたくてこーちゃんと名前をつけて大事に育てていたのだ。

椿

私、経費のレポートを改ざんするように頼まれたの。

椿は消え入りそうな声でささやいた。
話してもどうにもならない事はわかっていた。
不安で押しつぶされそうな気持から、思わず漏れでた言葉だった。

菊之助

あー経費レポートの件ね。
部長に見せたって聞いたよ。

よくあることだよ。

「よくあること?、経費レポートの改ざんがよくあること??」

椿が見せたPower BIの経費レポートで、部長が桐生課長の経費が少なく報告されていたことに気がついたのだった。

指摘を受けた桐生課長はあろうことか椿に
「俺の経費の一部を抜いて出すように」
という改ざん指示をしたのだった。

「よくあること??」
経費横領の片棒として捕まるかどうか悩んでいたというのに。
菊之助が信じられなかった。

菊之助

桐生課長は部の飲み会費用を立替えてたからね。
こういったことでしょ。

椿

へ、分析?
部の飲み会費用??

椿はまだ会議室に残っている桐生課長のところに慌てて戻った。

整理するとこのような内容だった。

  • 杉浦部長は営業成績と経費の関係をチェックしている
  • 営業活動に関係ない経費は省いている。
    それは杉浦部長が間違った判断をしないようにするため。
  • 特別な接待で経費が多くなる場合は桐生課長が経緯や理由も併せて報告している

桐生課長には
「なんで話を聞いてなかったんだ。」
とぶつぶつ言われたが、椿は気持ちが晴れやかだった。

「あー良かった。」
と思って席でくつろいでいたが、一つ大切なことを忘れていたことに気がついた。

椿

そうだ、さっきの図のタコは誰のことよ!!

菊之助

やっぱり、赤いタコじゃん。。


それからは普段の業務を淡々とこなす日々が続いた。
椿もPower BIのことは忘れかけていた。

そんな時、この男の一言で椿はPower BIのレポートに引き戻されることになった。

杉浦部長

ほっほっほ。
前の経費レポートをくれないか?

経営層には1次情報が届きません。

1次情報を知りたいということがBIレポートの要望の一です。

経営層は

  • 誤解が起きないように修正されたデータ
  • 悪い要因がある場合、担当者の捕捉説明

と人の手でコントロールされた情報しか手に入らなくなります。

1次情報を見てまず自分で考えてみたいという要望があります。

反対に部下はどうでしょうか?
間違った見方をされて、不利な評価をされたらたいへんです。
また良くない数字の時は事前説明や理論武装しておく必要があります。

このように
 1次情報をみたい VS 1次情報をみせたくない
という対立がレポート作成時におきます。

リアルタイム情報の重要性

椿

杉浦部長。
あわただしく出ていったけどどうしたんだろう?

今日は営業が少しざわついていた。

菊之助

部長のシックスセンスが発動したらしい

杉浦部長はまわりの雰囲気から状況を察知することに優れていた。
営業はそれをシックスセンスと呼んでいた。
それを武器に部長になったと聞いている。

椿にとってそれは過去の話でしかなかった。
そんなすごい杉浦部長の姿は今まで見たことなかったのである。

菊之助

・・・

菊之助が杉浦部長の机に置いてあったレポートを見て固まっていた。

椿は覗き込んでみると、それは昨日杉浦部長に渡したPower BIの画面コピーだった。

菊之助

山が動く。

椿は菊之助の事を変だと思っていたが、ここまでひどいとは思っていなかった。

・・・


杉浦部長と出張に行っていた桐生課長が帰ってきた。
桐生課長はいつになく上機嫌だった。

桐生課長

やっぱり、杉浦部長はすごい。
ホント尊敬する。

桐生課長は次の内容を何度も繰り返して椿に話していた。

  • 接待費を見てトラブルを察知
  • すぐに謝罪と状況確認のため現地に急行
  • 顧客が迅速な対応に感謝してより信頼を深める
椿

ちょっと話長いな。
伊勢まで行ったんだから、赤福買ってきてくれればいいのに

情報の伝達が遅いと、状況に応じて即座に動けなくなります。
今回桐生課長の経費レポートを待っていたら間に合わなかったかもしれません。

経営層に情報が届くのは遅いです。
偉ければ偉いほど遅くなります。

それは報告までにたくさんの人のチェックがあるためです。

  • 正しい数字がでているか?
  • 誤解しない数字に変換してるか?
  • 変化点を説明できるようにしているか?

この正確性の代わりに犠牲になるのがスピードです。
大企業ですと速報値が出てから社長が数字を知るまで半月かかるとかいうのはよくある事です。

即座にデータを知りたいということがBIレポートの要望の一つです。

まとめ

偉い人がBIレポートを欲しい目的として

  • 1次情報を知りたい
  • 即座にデータをみたい

ということを説明しました。

Power BIの特徴の一つがダッシュボードです。
ダッシュボードは現状をビジュアル化することなので、この2つ要望を満たすのにピッたりと言えます。

業務のやり方を変えるのでたいへんな作業になりますが、その分大きな改善効果があります。

第3編 なぜ私のレポートを使ってくれないのか?

桐生課長

そういうことで、情報革新プロジェクトのリーダに椿がなったからよろしく

椿

えっ、ええーー。

いったい何がどうなって、そういうことになったのかわからない椿だった。

なぜ私のレポートを使ってくれないのか?」に続く

Power BI導入ストーリー
1. Power BIでできること3選
2. 経営層がBIレポートを望む本当の理由
3. なぜ私のレポートを使ってくれないのか?
4. 使い物にならないPower BI


Katahira

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