Categories: Power BI

Power BIの使い方 – 簡単なダッシュボードを作ってみよう

コロナ分析のダッシュボードを作成してみます。

この記事の目的
・Power BIの操作に慣れる
・簡単なレポートを自分で作れるようになる

完成したダッシュボードはこちらです。

  • 感染者総数の数字
  • 男性と女性比率の円グラフ
  • 年齢別の月次の積上げグラフ

コロナのサンプルデータを取得

東京都の新型コロナウイルス陽性患者のデータを使用します。
使用するCSVファイルはこちらです。

エラー 404 - 東京都オープンデータカタログサイト

データの取り込み

データのダウンロード

ダウンロードした「130001_tokyo_covid19_patients.csv」ファイルを作業フォルダに移動します。

ダウンロードフォルダではなく、正式なフォルダに移動してください。
データ差替え時に、同じ場所にファイルを置く必要があるためです。

後で、「どこにファイルを置けばいいんだったっけ?」とならないようにしてください。

私は「C:\PowerBI\data」に保存しました。
場所は後でも変えられますが、初めに決めておいた方が簡単です。

Power BIからダウンロードしたファイルを取り込む

  1. Power BIのソフトを起動します
  2. 「データを取得」から「テキスト/CSV」を選びます
  3. ダウンロードしたcsvファイルを選択します。
  4. csvのデータが画面に表示されますので、「読み込み」ボタンを押します。

取り込んだデータを見てみます。

左の表のアイコンをクリックするとデータを参照できます。
・陽性患者1人に対して1行
・都道府県のデータはあるが「東京都」しかない
・データが入っているのは、
  公表_年月日、患者_年代、患者性別
 というのがわかります。

分析する前にざっとデータには目をとおすように習慣づけましょう。
全国のデータと思ったら、東京都だけだったという事になりかねません。

ダッシュボードの作成

東京都の累計患者数を表示

累計数字の表示を作ります。

  1. カードを選択
  2. “フィールド欄”の”[No]の項目を”視覚化”欄の[値]にドラッグする
  3. [値]の表示をカウントに変更する

一人につき一行なので、行をカウントをすることで累計患者数を出せます。

男女比率の円グラフを作成

男女の比率を求める円グラフを作成します

  1. ドーナッツグラフを選択
  2. “フィールド欄”の[患者_性別]の項目を”視覚化”欄の[詳細]にドラッグする
  3. “フィールド欄”の[No]の項目を”視覚化”欄の[値]にドラッグする
  4. [値]の表示をカウントに変更する

月別の患者数グラフを作成する

月別の患者数グラフの作成手順です。

  1. 積み上げ縦棒グラフを選択
  2. “フィールド欄”の[公表_年月日]の項目を”視覚化”欄の[軸]にドラッグする
  3. “フィールド欄”の[No]の項目を”視覚化”欄の[値]にドラッグする
  4. [値]の表示をカウントに変更する
  5. グラフの初期表示を月に変更する

最後の操作の、図の表示変更について説明します。

Power BIは日付データを入れると
 年
 四半期
 月
 日
の階層データを作ってくれます。
これにより、四半期や月の推移表を簡単に作ることができます。

階層データをグラフに使うと下の図の矢印がでます。

↑ 上矢印
一つ上の階層データを表示します。
日データを表示していたら、月データの表示に変わります

↓ 下矢印
クリックした値の下の階層のデータを表示します。
2020年をクリックしたら、2020年の四半期データを表示します。

↓↓2重下矢印
下の階層の全データの合計を表示します。
年から四半期データに変えた場合、全部の年の合計Q1データが表示されます。

20191月100
20201月200

このようなデータがあった場合、↓↓Q1 300の表示になります。
を選択後2020年をクリックした場合、Q1 100の表示です。

年齢別の積み上げグラフに変更する

先ほど作った月別の患者数グラフを年齢別に変更します。

年齢別の患者数の数字がないので自分で作ります。
「クイックメジャー」をクリックして、下の図のようにセットします。

このセットの意味は、
 患者_年代 = “10代”
で抽出した、Noのカウントの項目を作るという意味です。

追加すると「フィールドに」新しい項目が追加されたことを確認できます。

同じようにして、前年代の項目を作成します。
一つずつ設定するのは大変なので、10代のNoカウントを利用して作ります。

下の図を参考にして、計算式をコピーします。

  1. 「10代のNoカウント」を選択
  2. ^を押して、項目式の欄を拡大表示
  3. 表示された式をコピー

この計算式は先ほど手入力した内容をPower BIが式に変換したものです。
項目の名前を「10代」に変更して、左のチェックボタンを押して保存します。

10代 の No のカウント = CALCULATE( 
   COUNTA(‘130001_tokyo_covid19_patients'[No])
,’130001_tokyo_covid19_patients'[患者_年代] IN { “10代” }
)

先ほどの数式をコピーします。
式の中に10代が2か所ありますが、それを20代に変えます。

これは、20代を抽出した、新しい「20代」の項目という意味です。

下の図を参考にして、「新しいメジャー」を選択後、数式欄に変更した値を張り付けて保存します。10代から80代まで作成します。

20代 = CALCULATE(
    COUNTA(‘130001_tokyo_covid19_patients'[No])
,’130001_tokyo_covid19_patients'[患者_年代] IN { “20代” }
)

10代から80代まで作成したら、最後は「その他」を作成します。

下の式を張り付けてください。NOTを利用することで、10代から80代以外という意味となります。

その他 = CALCULATE(
COUNTA(‘130001_tokyo_covid19_patients'[No])
,NOT(‘130001_tokyo_covid19_patients'[患者_年代]
in { “10代”,”20代”,”30代”,”40代”,”50代”,”60代”,”70代”,”80代” }
))

新規項目を作り終わりましたので、グラフに反映させます

  1. 「月別の患者数グラフ」を選択する
  2. 元の値を削除
  3. 10代から順番に項目をクリックしていく

これで、棒グラフの下から10代、20代となっているグラフができました。

動作確認

左の円グラフの男性をクリックすると、カードの値が男性のみの値になります。
右の棒グラフのAprilをクリックするとカードの値が4月の数字となります。

グラフをクリックした時にもう一つのグラフの色が変わります。
例えば男性をクリックした場合、右グラフの濃い色が男性を表します。

これは強調表示となっているためです。
男性をクリックした時に男性だけを表示するように変えてみます

  1. 左の円グラフを選択
  2. 上のリボンから書式を選択
  3. 「相互作用を編集」をクリック
  4. 右図のフィルタのアイコンをクリック

この「相互作用を編集」は、グラフ同士の連動のしかたを定義します。
アイコンの意味は
 左:先に指定したグラフの値で、このグラフの値を抽出する
 中:先に指定したグラフの値を、強調表示する
 右:グラフの表示は変更しない
となります。

最後に表示から、自分の好きなレイアウトを選べば終了です。

まとめ

グラフの作成は直感的にわかりやすいので、作りやすいと思います。

10代、20代といったデータを作成するところは少し難しかったと思います。
難しいところはExcelで事前に加工するのも一つの手です。

グラフをクリックすると動的に変わるところはPower BIの面白いところです。

Katahira

Recent Posts

トランザクションテーブルの特徴を知ろう

この記事で解決できる疑問 トラ…

2年 ago

マスタテーブルの設計で注意すべき3点を紹介

この記事で解決できる疑問 マス…

2年 ago

Power BI道場 コンテンツ紹介

ここでは筆者が提供しているPo…

2年 ago

Power BI道場 ヒストグラムの作成。知っていれば簡単!!

この記事で解決できる疑問 ヒス…

2年 ago
Close Bitnami banner
Bitnami