Power BIの運用ではデータの自動更新はレポートの作成以上に大切です。
例えばあなたがレポートを作って毎日5分手動で更新したとします。
年で換算すると17時間で2日分の作業です。
レポートを作成していくたびにその作業が増えていきます。
仕事をすればするほど価値の低い仕事が増えるのは皮肉なことです。
この記事ではデータの自動更新についてまとめています。
あなたの時間をより有意義なものに使える手助けになればうれしいです。
この記事は有料版のPower BI Proについて書いています。
(Webサイトやスマホやタブレットのデータ更新)
自動更新を考える前にデータの取得方法を整理する必要があります。
上記のようにたくさん選択肢があります。
この記事では概要を書き具体的な設定方法はリンクの記事で説明します。
インポートとDirect Queryは何が違うのでしょうか?
データをPower BI内に一時的に保存しているかしていないかの違いです。
Direct Queryを使うと自動更新は必要ありません。
それはデータを直接参照しているからです。
次にインポートとDirect Queryの違いについて説明します。
インポートはPower BI内にデータを持ちます。
そのためレポートを開いた時に表示が早いです。
この早さが利用者にとっての最大のメリットです。
インポートの場合は自動更新設定を別途する必要があります。
Power BI Proではデータの自動更新に次の制限があります。
リアルタイムに近いデータが必要な場合はDirect Queryを使います。
メリットとデメリット
Direct Queryはデータの取得方法によって使えないときがあります。
大雑把にいうとデータベースには使えますがファイルやサービスには使えません。
Direct Queryが使える接続方法はMicrosoftのページから参照できます。
次の2点でも見分けることができます。
Direct Queryに「データ」アイコンがないのはPower BIにデータが保存されていないからです。
Power BIからのデータアクセスには大きく3つあります。
*SharePointも”2.クラウドDB or サービス”の一つですが、一番簡単に使えるので別扱いにしました。
ExcelやcsvをSharePointに保存してそのデータをPower BIで使う方法です。
システム部門以外の方でしたらこの方法が一番使いやすいと思います。
想定ユーザ
Excelのデータがメールで送信されてくる。
Excelでデータ取得後、手作業で保存したファイルを使っている。
設定方法
1. Power BIでSharePointのデータを使うように設定する
「データの取得」の設定からSharePointフォルダーを選ぶと設定できます。
詳細を確認したい方は「データセットを使う方法」を参照してください。
2. Power Automateを使ってメールのExcelを自動でSharePointに保存する。
設定方法は「メール添付をSharePointに保存」の記事を参照してください。
Power BIだけでなく普段の業務で役にたつ方法です。
クラウドにあるデータを使っている場合は特別な設定は必要ありません。
4章のスケジュール設定をすることで自動更新ができます。
社内ネットワークのデータを使うには接続用のソフトをインストールします。
セキュリティ上のリスクがあります。
業務部門の方はシステム部門に相談してから行うのをおすすめします。
*外部から社内ネットワークに入れるように穴をあける設定です。
一般的には個人のパソコンには設定しません。
専用のWindowサーバを使います。
Power BIでの開発時はそのサーバ上で行うか接続設定を同じにしてください。
*インストールについて知りたい方は「ゲートウェイのインストールと設定」を参照してください。
データセットはPower BIのWebサイト上に置くデータの設定です。
レポートはこのデータを使ってグラフを表示します。
設定には3つの方法がありますが、
データフロー → データセット → Power BI Desktop
の順番でおすすめです。
データソースの設定とグラフの設定を分けた方が管理が簡単です。
データフローを推奨するのはそのためです。
データフローの機能はPower QueryのWeb版です。
*Power QueryはPower BI Desktopでのデータ設定のバックグランドで使われている機能
データフローをおすすめする理由は2つあります
設定手順は右上の「+作成」から「データセット」を選択して作成します。
*SharePointにあるExcelの取り込み方法について、後日設定方法の記事を公開します。
データセットの一覧には
の2つが入っています。
次はSharePointに保存されているExcelを取り込む手順です。
この手順で作成した場合自動取り込みの設定は不要です。
1時間ごとにファイルの変更をチェックして自動更新します。
*1時間とありますが、SharePointのファイル更新後5-10分で連携します。
次はスケジュール設定の確認手順です。
Power BI Desktopからのデータセットの更新は簡単です。
画面右にある「発行」ボタンを実行するとWebサイトに登録できます。
Power BI Desktop内での作成方法について詳しく知りたい方はデータソースの作成方法の記事をご参照ください。
データ設定はクラウドから参照できないと発行したあと使えません。
具体的には
・クラウドにあるデータを使う
・社内の場合はPower BIの接続設定が入ったパソコンを使う
のどちらかで作成してください。
データ設定まで終わればあとは
の2つです。
データ更新の自動化の設定は次の手順です。
初めの一つの設計はたいへんですが、それによって次からの変更が簡単になります。
この記事が日々の手作業を減らすことにつながればうれしいです。